只々、感謝。(1)郷里浜松での藤原歌劇団公演「蝶々夫人」

画像参照:日本オペラ振興会
皆さま、長らくご無沙汰を致しました。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、改めて報告いたしますと、またまたガンのヤツにやられてしまいました。

故郷で公演することの責任

遡ること昨年2021年春。
オペラやコンサートが続く中、何となく気になって心臓の検査をしたところ、何と大きな血管に二か所閉塞が見つかりました。
なるべく早くバイパス手術をした方が良いと言う医者の忠告を聞かず、7月のオペラが終わるまで数ヶ月待って欲しいと我儘を言って、先延ばしに。

というのは、郷里浜松での藤原歌劇団引越し公演「蝶々夫人」があったため。
故郷での公演、演目は団のお家芸「蝶々夫人」、役は長年出演し続けてきたシャープレス。
そうなれば市長への表敬訪問やら、企業や学校、知人への挨拶回り、地元FMへの出演など歌う以外にもやるべきことは多く、自分が誰よりも動かなくては公演の出来に関わってくる。
何かあった時のためにニトロと言う薬を持たされ、「発作とか起きたら終わりですからね・・」
と脅しのような忠告を胸にしまい3ヶ月間やり切り、その甲斐あって公演は大成功に終わった。
画像参照:日本オペラ振興会

続く困難・・・

そして公演の翌日帰京し、そのまま入院して、先延ばしにしていた心臓バイパス手術を受けた。
これまで何度も手術を受けてきたが、さすがに心臓は命に関わる大手術だ。
死の恐怖を感じるほど、身体へのダメージは大きく、退院まで二ヶ月ほど要した。
その後、なんとか退院まで漕ぎつけ自宅療養を始めたものの、今度は右足に異変を感じる。
心臓手術の後遺症か?と考えてみるも、ここ一年くらい大腿部が何となく痛かったことを思い出す。
稽古の時に捻ったかな?くらいに思っていたが、段々痛みが増して来ており整形外科を受診しレントゲンを撮ってもらう。
右大腿骨の外側に穴が開いていた。
10年来闘ってきた腎臓ガンの骨転移だった。

心臓の手術が終わりホッとしたのも束の間、あっという間に病院に逆戻りとなった。
そして骨折の危険があるので、すぐに右大腿骨の手術を行い、金属の棒を差し込んで補強する。
同時に、骨転移したガンは二週間の放射線治療を行った。
退院した直後に、再びの2ヶ月ほど入院。
この2ヶ月の入院はとても厳しいものとなった。